きれいな盛りつけが、
患者様の心の栄養に
なる。
おいしく、安全に、
見た目もきれいに。
主な仕事は、主菜や小鉢の調理で、その後に盛りつけ、配膳までも行います。病院の患者様が食べる治療食なので、おいしさはもちろんですが、まず安全に気を配ります。1度の調理で提供されるのは、多いときで約300食。数が多いこともあり、盛りつけの際には「流動食に固形物が入っていないか」など、間違いがないか慎重に確認します。
患者様のベッドサイドへ直接食事を配膳しているため、患者様から「昨日の〇〇がおいしかったよ」と面と向かって言われることが、一番のやりがいです。特に自分でつくった料理を褒められると、喜びを抑えきれず、にやけてしまい、ちょっと恥ずかしくなります(笑)。
ほかにも、料理の見た目を「きれい!」などと言ってもらえることも、すごくうれしいです。患者様にとっての食事は、見た目やにおいなどからも元気をもらえる心の栄養源でもあるんです。そのため、きれいに盛りつけることは患者様の生きる力につながっていると考え、料理の見た目には特に力を入れています。
ON STYLE わたしの相棒
- ディッシャー
- 一般的にはアイスクリームに使うイメージですが、わたしは普段きざみ食をきれいに盛りつけるのに使用しており、重宝しています。患者様の元気をつくる、魔法のアイテムです!



わたしの大失敗を
カバーしてくれた
先輩に、感謝の涙。
入社して1年が経つ頃、ひな祭りのイベント食としてちらし寿司をつくることになりました。初めて担当するメニューだったのですが、わたしは蒸しえびの下処理をしようと、通常通り決められた時間、スチームコンベクションオーブンにかけました。……本来はまっすぐ盛りつける予定だったえびが、見事に「くるん」と丸まってしまったのです。イベント食を担当していた先輩は頭を抱えましたが、わたしは謝ることしかできませんでした。ただ先輩はすぐに丸まったえびをちょこんと盛りつけて「これはこれでかわいいよ」と。まわりのパートさんたちも次々に「かわいい」と言ってくれて。本当にやさしい先輩、そして職場の仲間でよかったと思いましたし、泣きながら感謝したことをいまでも覚えています。
わたしにはトラウマ級の思い出ですが、それからは初めての食材を扱うときは必ず先輩に聞くようになりましたし、失敗の数はぐっと減りました。最近は後輩も続々と入ってきています。わたしも後輩の失敗をフォローできるような先輩でいたいと思います。

