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ショク 2024.10.28

お米にこめたおもい -エームサービスは、3度の飯よりお米がすき-

「令和の米騒動」では、量販店や飲食店でお米が品薄な様子が報道されました。実際に、食生活の変化や生産調整、後継者不足による米農家の減少に加え、地球温暖化による気候変動の影響により、日本の米の生産は大きな課題を抱えています。
お客様に「10年先、100年先も安全・安心でおいしいお米を安定的に提供したい。」1日約140万食を提供するエームサービスグループでは、10年以上前から持続可能なお米の調達体制の構築に真剣に取り組んできました。

2024年の「和食の日」のテーマは「お米」。これを契機に、当社が考える①お米のおいしさ・大切さ、②安全性、③環境への配慮、④生産者との持続的な成長の取り組みについて情報を発信していきます。

目次

和食の日 ポスター

知って、体験しておもいを届けたい

環境に配慮した栽培法を知る - 秋耕体験会 -

農業分野のGHG(メタンガス)の排出割合では、稲作が畜産を超える54%を占めていることを踏まえ、気候変動による高温障害からお米を守るためには、

  • 稲わらの秋すき込み(秋耕)の励行
  • 稲わらのすき込みから堆肥施用への転換
  • 中干し期間の延長

などを行い、持続的な農業を展開していくことが有効です。

10月22日、当社の契約先で、茨城県にある農業生産法人 有限会社シャリー様を訪問し、実際にトラクターに試乗させていただき、稲わらや稲株のすき込み(秋耕)を体験。その後、最新の設備を備えた同社の施設を見学し、生産者の方々との交流を通してサプライチェーンへの理解を深めました。

秋耕体験会 集合写真  (有)シャリー 代表取締役 鈴木一男様(前列中央)、専務取締役 鈴木哲行様 (前列左から2番目)と参加者
鈴木専務による秋耕の説明
参加者が交代でトラクターに試乗(秋耕体験)
トラクターをまっすぐに走らせるにも技術が必要
土の状態を見る鈴木専務とユア キッチン サービス(株)三澤リーダー
ドローンを活用し作業の効率化を図る
同社では水稲の直播などに活用されている

安全・安心と高品質を支える最新設備を知る -生産施設の見学 -

低温倉庫
乾燥工場
精米工場
高温耐性に優れた品種「ふくまる」と「にじのきらめき」を試食

参加者の皆さんに聞きました

営業戦略企画室 松居純子チーフ

秋耕はお米をおいしくする過程で必要なだけでなく、環境負荷や農薬、肥料の低減につながることを初めて知りました。今回の体験は秋耕だけでしたが、大変な作業量だと感じました。これらを補助する最新の技術は欠かせないものであり、さらなる進化も必要だと思います。
農家の激減や機械の老朽化など生産者の皆さんが抱える問題を実際に現場を見ながら知ることができ、「食」に携わる者として、消費者として、常に意識しながら行動しなければならないことを痛感しました。

埼玉県内大学病院事業所 小峰大輔ユニットマネジャー

私の事業所でもこちら(シャリー様)のお米を使わせていただいています。実際に作られている現場を見せていただき、ここまで安全管理と品質保持に気を遣われていることに感動し、大変刺激を受けました。
実際にクライアント様や患者様より「ご飯がおいしい」という評価もいただいています。食事を提供する私たちも「一粒入魂」で、生産者の皆さんの思いをつないでいきます。

体験会にご協力いただいた生産者の方に聞きました

有限会社シャリー 専務取締役 鈴木哲行様

「食」に携わる者として、一緒に安全・安心を目指す

今年は端境期の米不足が話題になりました。生産者はおいしいお米を届けようと努力していますが、異常高温や農業従事者の高齢化の問題は深刻です。高温によるカメムシの大量発生は斑点米*を増やし、9月まで続く猛暑は米の生育を妨げます。また、私どものように一定規模の施設を持つ法人は作業委託も受けていますが、この周辺でも廃業されるスピードの方が速く、受け入れも難しくなってきています。お米の価格の上昇が取り上げられていますが、これまでが低すぎたとも言え、このままではお米の持続的な供給ができなくなることが危惧されます。

当社では、最新の設備や技術を導入し、生産から配送まで一貫して行っていますが、すべては安全でおいしいお米を、消費者の皆さんに安定的にお届けするためです。エームサービスの皆さんも、同じ「食」に携わる者として目指すゴールは同じだと思っています。本日見ていただいた出荷までのプロセスや新しい技術についてご理解いただき、ぜひ、皆さんの方からも情報を発信していってもらいたいと思います。

*斑点米=カメムシの吸汁加害によって、玄米が部分的に黒く変色したもの

 

有限会社シャリー会社概要

代 表 者 : 鈴木 一男
設   立 : 1993年6月 
本社所在地 : 茨城県猿島郡五霞町
ホームページ: http:www.shally.co.jp

「たくさんの人に安心・安全・美味しいお米を食べていてほしい」を掲げ、米穀の販売、農産物(米)の検査業務、農産物の生産および販売など、地域と連携し幅広い業務を手掛ける農業生産法人。
2006年に竣工した新工場は低温倉庫、精米工場、乾燥工場を備え最新の設備を導入。生産から保管、精米まで一貫した管理を行い、常に新しい技術を取り入れながら安全性と高い品質、効率性を追求している。

新しい品種の良さを知る ‐にじのきらめき 社内試食会 -  

10月28日、本社オフィスで「にじのきらめき」の試食会を開催。小谷社長と三澤リーダーによる「持続可能なお米の調達」をテーマにしたトークセッションには、購買部門担当の馬渡本部長、ユア キッチン サービス株式会社の松尾社長、松下室長はじめ、約50名が参加。

その後、炊き立ての「にじのきらめき」と「コシヒカリ」の新米を食べ比べ、品種による見た目や味の特徴を体感してもらいました。参加者からは、「どちらもおいしい!」「甲乙つけがたい」という声が多く聞かれました。

IDSセンターより、今年の「和食の日」(11月24日)と「和食月間」(11月)に向けたプロモーション企画(提供メニューやポスター、シールなど販促物について)の説明も行われ、準備は万全。当社の「お米にこめたおもい」をしっかりとお客様に伝えていきます。

三澤リーダーと小谷社長(右)が持続可能なお米の調達をテーマに対談
「にじのきらめき」と「コシヒカリ」をブラインドで試食
炊き立ての新米を味わう参加者
おいしいと思った方のお米に投票

エームサービスの持続可能な調達への取り組み

もっともっとお米のことを知ってもらいたい
生産者と調達者の互いに顔が見える関係性

三澤 実リーダー

この人に聞きました
ユア キッチン サービス株式会社 
リーダー 米穀担当 三澤 実


エームサービスグループの仕入子会社 ユア キッチン サービス株式会社で米穀専任の調達担当として従事。全国の生産者を回り、直接契約による調達を推進。
稲の栽培から、乾燥・調製、精米並びに炊飯工程全部を経験したお米のプロ!


「今回の『和食の日』の取り組みを通して、生産者の皆さんの苦労を少しでもわかっていただきたい。『生産者は使う側を、使う側は生産者の方をしっかりと見る。』そうしていかなければ、本当の意味でのホスピタリティーは発揮できないのではないかと思っています。」



約6割といわれる契約農家からの直接調達について教えてください

エームサービスでは、2012年よりお米の専任担当による契約農家からの直接調達を開始していますが、現在は年間の調達量の約6割を占めるようになりました。この取り組みにより、田んぼから倉庫、全国の事業所までのトレーサビリティが担保され、調達量の安定にもつながっています。

また、契約農家や産地JA、卸会社の皆さんと一緒に「持続的な成長」を目指し、高齢化・後継者不足、作付面積の逓減、気候変動による温暖化など、さまざまな課題を共有したうえで、

  • 業務用米として求める特徴、品質への理解
  • 作期分散などによる安定的な運営法の提案
  • 高温耐性に優れ、多収な栽培品種の選定
  • GHGガスを低減する栽培法の構築

などの取り組みを推進しています。何よりも意見交換を行いながら⾧期的な信頼関係を築くことを重視しています。

お米の品種を当社から提案することもあると聞きました

はい、国内の気温の上昇に歯止めがかからない状況下、高温耐性に優れ、多収な品種の開発も進んでいるので、契約農家の皆さんの課題やご要望に合った栽培品種をご紹介することもあります。

推奨栽培品種の一例「にじのきらめき」は高温に強く、おいしいお米

特徴

「にじのきらめき」食味調査 *出典:農林水産省HP

・「コシヒカリ」に比べて15~30%多収
・「コシヒカリ」より高温耐性に優れ、やや大粒
・ 米飯の食味は「コシヒカリ」と同等
・ 茎の長さが短く倒れにくい、イネ縞葉枯病に抵抗性である
・「コシヒカリ」と近い熟期で北陸、関東以西で栽培が可能

エームサービスのお米の基本

POINT 1
国産100%の単一米*を信頼できる契約農家、産地JA、サプライヤーより調達し、トレーサビリティーを担保しています。

POINT2
全サプライヤーが、比重・光学式等の選別機を用いて異物除去を実施しています。

POINT 3
新米切替時または産地・銘柄変更時は、第三者検査機関によるDNA検査、カドミウム検査、残留農薬検査を実施しています。

*ご契約内容によっては一部ブレンド米をご提供しています。

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