gofun(ごふぁん)

ヒト 2023.11.13

仕事も子育ても充実させたい!
育休前後のワーママ&ワーパパの働き方とは?

エームサービスには、会社の制度を活用してワークライフバランスを充実させているワーママ・ワーパパがたくさんいます。そこで、実際に産前産後休業(以下、産休)・育児休業(以下、育休)などを取得したママ&パパ社員に、休暇取得にあたっての準備や心得、復職後の働き方の工夫などを聞きました。

CASE.01
優先順位を意識して、任せられることは任せる。
感謝の気持ちを持ちつつ、周りに助けてもらっています

【profile】
矢野真希さん(入社10年目)
管理栄養士。病院の事業所勤務。厨房で患者さまに提供する昼食・夕食の準備や食事チェック、事務所で食材などの発注業務、患者さま別の献立の作成などを担当する。約1年10カ月の育休を経て、2019年、産休前と同じ事業所に復職。現在、夫、息子(6歳・幼稚園年長)と3人暮らし。

Q.
産休・育休を取得するにあたり、どんな気持ちでしたか? また、悩みや不安はありましたか?

私の住む地域は保育園の激戦区なので、息子が保育園に入れるのか、とても不安でした。また、同じ事業所に復職できるのか、別の事業所の配属になったら、育休明けで新しいことを覚えながら仕事と子育てを両立するのはなかなか大変だなぁと。結果的に、息子は第一希望の保育園に入れて、私は同じ事業所に戻ることができたので、安心しました。
産休に入る当時、事業所の従業員は厨房40名、事務所10名ほど。妊娠してからは、座ってできる事務仕事を多く任せてもらっていて、発注業務は私ひとりで担当していたので、引き継ぎはわかりやすくノートに整理しました。在庫の確認方法や発注の目安がわかる早見表も最新のデータに更新しました。お正月などは「行事食」がありイレギュラーな発注になるので、現場が戸惑わないように注意点をまとめました。後任はプライベートでも仲のいい後輩で、スムーズに引き継ぎができて安心でしたが、それでもやはり産休に入るときは、任されていた責任もあり「何かあったらいつでも連絡してね」と伝えました。

Q.
育休中、会社や社員の方とコミュニケーションは取れましたか?

発注業務を引き継いでくれた後輩や、同じ事業所にいる同期の二人とは、休業中も連絡を取り合い、家に遊びに来てくれることもありました。職場の状況がわかって孤独を感じることもなかったですし、復職もしやすかったです。
また、同じ事業部内で育休中のママのための“ママ会”があり、私も復職が決まってから参加させていただきました。20人ぐらいのママ社員が集まり、すでに復職されている先輩ママたちからお話を聞いたり、働き方や子育ての悩みを聞いてもらったり……。復職前で不安な気持ちが募る中、こうした機会をいただけたのは心強かったですね。

Q.
復職後(現在)のタイムスケジュールは?

復職後から現在まで、短時間勤務制度を活用しています。勤務時間は6時間で、就業時間が決まっているため、産休前より業務の優先順位を強く意識するようになりました。大事なことは先延ばしにせず、特に発注業務は締め切りがあるので、常に時間を逆算しながら作業しています。また、“任せられることは任せよう”と思えるようになったのは大きな変化です。何でも抱え込むと、かえって迷惑をかけてしまうので、お願いできることは周りの方に助けていただいていますね。
仕事と子育てを両立するコツは、なるべくラクをすることだと思います。買い物はネットや宅配を利用して、食洗器やロボット掃除機で家事の時間を減らし、家では子どもとの時間が最優先です。わが家では、幼稚園から帰宅後、夕食の前にお風呂に入るのがルーティン。そうすると、夕食以降の時間に余裕ができて、気持ちにも余裕が生まれます。

Q.
事業所や部署では、どんなフォローがありますか?

復職したての頃、息子が毎朝「保育園に行きたくない!」と大泣きし、毎日のように仕事に遅刻してしまい、このまま続けるのは無理だろうと思ったこともありました。また、頻繁に息子が熱を出し、保育園から呼び出されて急に帰らせてもらうことも。そうしたとき、周りの方は嫌な顔ひとつせず、「無理しないでゆっくり慣れていけばいいよ」「早く息子さんのところへ行ってあげて」と声をかけてくださり、気が楽になりました。今も就業時間を過ぎると、「帰らなくていいの?」と気にかけてくれる温かい職場です。
私の勤務先は365日稼働している事業所ですが、夫もシフト制の仕事のため休日に家を空けることがあり、どうしても息子の幼稚園に合わせて週末や祝日、年末年始などはお休みをいただくことが多く、申し訳ない気持ちです。周りに助けていただくことばかりですが、“やってもらって当たり前”にならないように、これからも常に感謝の気持ちを持ち続けたいと思います。

Q.
会社の制度で助けになった点、よかった点は?

短時間勤務制度が利用できるのは“子どもが3歳未満”という企業が多い中、エームサービスでは“小学校3年生まで”利用できるのは本当にありがたいですし、素晴らしい制度だと思います。子育て中の友人からも「すごい!」と言われますね。
会社の制度ではありませんが、私の事業所では、早番・遅番など、自分のライフスタイルに合わせた働き方が相談できるのもよい点だと思います。例えば、朝、パートナーが子どもを保育園へ送れる人は、早番勤務にして夕方は自分で保育園へお迎えに行けますし、その逆もできます。事業所にもよりますが、希望に合った働き方が相談できるのはいいですね。

ワーキングママになって大切だと思うのは、仕事や育児・家事の両立を難しいと思わず、“なんとかなる!”精神を持つこと。産休前や復職前は不安なこともたくさんあると思いますが、なるようになります! 決して何でもひとりでやろうとせず、感謝の気持ちを忘れずに、周りにたくさん頼ってくださいね。
私の事業所にもだんだんと短時間勤務の従業員が増えてきて、現在、育休中の後輩もいます。後輩たちが帰ってきたとき、私が今までしてもらったことを今度は返したいですし、「こうした働き方なら長く続けられるよ」と、伝えていきたいと思います。

矢野さんの上司からひとこと。

吉村仁志さん

矢野さんは産休前、主に発注業務や献立作成などを行っていたのですが、後任にしっかりと引き継ぎをしてくれたおかげで、休みの間も問題なく業務が遂行できて大変助かりました。現在は、短時間勤務でも可能な発注業務のほか、後輩の育成を担っていただいています。育成を行うことで存在感が増し、矢野さん自身も事業所に貢献していると実感しているのではないでしょうか。運営で大切なのは、事業所と当人がよい関係を築けるようにサポートすることです。
短時間勤務でも一生懸命、事業所に貢献しようとする姿勢は、周囲の従業員に必ず伝わります。子育てと仕事の両立は大変ですが、今後ワーキングママを目指す方は、矢野さんのように何事にもチャレンジしていただきたいですね。

CASE.02
周囲のフォローにより男性育休を取得。
育児の大変さを妻と共有でき、団結力が深まりました

【profile】
吉田 学さん(入社10年目)
企業の研修所の事業所責任者。3事業所を兼務し、主の職場ではフロント業務や夕食対応、事務処理などを、兼務先では運営の確認や事務処理などを担う。妻の出産後、約1カ月の育休を取得し、2022年5月に復職。現在、妻、息子(1歳半)と3人暮らし。

Q.
いつ頃、育休を取得しようと思いましたか? 取得を決めた理由も教えてください

以前から育休制度のことは気になっていて、妻の妊娠がわかったときには、すでに取得を考えていました。妻の体調を考慮するためでもありますし、子どもと四六時中一緒に過ごして成長を感じられる機会は、この先なかなかないだろうと。当時、単身赴任をしていたのですが、ちょうど異動が決まって妻が住む自宅へ戻ることになったので、そのタイミングで育休取得を決意しました。
妻に伝えると、「一緒に子どもを見守ることができるね」と、嬉しそうだったのと同時に、安堵していた様子もありました。妻は初めての出産・育児を控え、私が想像していた以上に不安を抱えていたのだと思います。私の中で「これから家族をしっかり守っていかねば」と、責任と覚悟がより一層強くなりました。
男性の育休取得率はまだ低いですが、周りが取っていないから取りづらいということは一切ありませんでした。ただ、現場の責任者として事業所を任されている以上、不在の間の業務をどのように引き継ぐべきかを考えました。

Q.
育休取得までの流れと、育休前の準備で工夫した点を教えてください

育休を取得する半年ほど前から社内Webサイトを確認したり、人事戦略室や先輩方にヒアリングしたりして、どのような準備が必要か調査しました。上司は取得に賛成してくださり、さまざまな場面で配慮していただきましたね。部内にも共有してもらい、同僚や従業員の方から温かい言葉をいただいてありがたかったです。
不在の間の業務は、上司やオペレーションチーフを中心に引き継ぐことに。自身の業務をピックアップして書面に残し、それぞれの方に打ち合わせの時間を作っていただきました。周りの人とは普段からコミュニケーションを取るように心掛けていますが、育休前はいつも以上に会話を増やすように意識しましたね。
取得の1カ月前から各所と連携を取りながら準備したので、大きな問題もなく進めることができたと思います。

Q.
育休を取得してよかった点は? また、復職したときの気持ちを教えてください

育休中は、妻の実家で育児に没頭しました。仕事が気になってしまうのではないかとも思いましたが、ミルク作り、おむつの交換、沐浴など目の前のことで手いっぱい。会社には申し訳ありませんが、正直それどころじゃありませんでした(笑)。何かあった際はメールがくることになっていたのですが、みなさんが配慮してくださり、ほとんどやり取りはなかったと記憶しています。
おかげさまで、日々子どもの成長を身近に感じられることができましたし、育児の大変さを家族で共有できたので、より団結力が深まりました。
復職する際は、初めて兼務先を持つことになり、働き方のイメージも付かなかったので不安が大きかったですが、周囲のみなさんの気遣いやフォローのおかげで、何の問題もなく業務に戻ることができました。

Q.
育休取得前後で働き方、仕事に対する考え方は変わりましたか?

家族の状況によって急に休みを取ることもあるので、常に情報を共有し、自分しかわからないような業務はなくそうと意識するようになりました。また、自分が確認・承認する必要のある業務はなるべく優先して、自分だけでできる作業は後回しにするように考え方がシフトしましたね。
もともと私たちの事業所は「個人に依存しない運営」を理想としていたので、ひと月ではありましたが、育休を通して体現することができてよかったなと思います。育休に関わらず、介護や療養など、人それぞれ休みたいとき、休まなければいけないときが訪れると思うので、声を上げやすい職場環境作りをより意識していきたいです。

Q.
会社の制度で助けになった点、よかった点は?

私は、育児休業と長期勤続積立有給休暇(以下、積休)の制度を利用しました。積休は、失効した年次有給休暇を累積させて利用できる制度で、正社員で満5年以上勤続した人、積休取得後も引き続き勤続する意思がある人などの利用条件があります。育休の場合、賃金の67%(育児休業開始から180日目まで)が給付されますが、積休は有給休暇と同じで、満額の給与が補償されるため、収入面では安心感があるのではないでしょうか。また、無給ですが年間5日取得できる子どもの看護休暇などもあるので、様々な制度をうまく活用できれば心強いと思います。

全員が同じ職場環境ではないので一概には言えませんが、もし、育休取得を迷っているのであれば、取ったほうがいいと個人的には思います。会社の業務ももちろん大事ですが、自身の行動をいちばん覚えていてくれるのは家族だと思いますし、子どもにとって父親はただひとり。代えがきかない存在です。生まれたばかりの子どもの成長は目まぐるしく、その瞬間を共にできるのは一生のうちに何度もあることではないはずなので、取得をおすすめしたいですね。

吉田さんの上司からひとこと。

鈴木孝規さん

吉田さんから「育休を取得したい」と相談を受けたとき、私にはできない判断だったので、純粋にすごいなと思いました。男性の育休取得に対して否定的な考えは全くなく、会社としてサポートできるように、日頃から「個人に依存しない事業所運営」を構築していくことが必要だと考えています。そのため、吉田さんには業務の平準化を意識し、自分だけが抱える仕事がないように伝えました。育休に限らず、長期休暇が必要な事態は誰にでも起こりうるので、このような体制作りは常に意識していますね。
有給休暇同様、育休は否定されるものではなく、会社もサポートしています。取得を考えているのであれば、迷うことはないでしょう。また、同僚が取得することに対しても応援してもらいたいですし、取りたい人がスムーズに取得できるように、みんなで運営体制を整えていきましょう。

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