“ヨム・ミル・サプリ”に込められた思いとは? ~ヨミサプチーム奮闘の裏側~
毎週、健康に役立つ確かな情報を発信するWebメディア“ヨム・ミル・サプリ”。2023年3月からスタートし、今年の4月にリニューアルしました。チーム一丸となって“ヨミサプ”を制作、運営する4名の方とクリエイティブ担当の2名に制作の裏側や想いを伺いました。
目次
お話しを伺ったのは…
右:村田一平さん
2007年入社。社員食堂でのマネジャー業務を経験したのち、事業所運営サポート部門などのいくつかの本社部署での勤務を経て、IDSセンターニュートリション室の室長に就任。室長として“ヨミサプ”全体の管理を担当するチームの大黒柱。
中央右:福田美樹さん
2008年入社。社員食堂で運営業務に携わったのち、育休復帰のタイミングで本社勤務に。今年4月のリニューアルからチームに参加。“ヨミサプ”ではメインとなって原稿チェックを担当。チーム全体をまとめるムードメーカー的存在。
中央左:青沼小百合さん
2010年入社。社員食堂での栄養士業務を経験したのち、スポーツ栄養サポート・事業所運営全般のサポートに従事。立ち上げから“ヨミサプ”に関わり、チームのリーダーとして全体の運営を担当する。
左:大内雄貴さん
2013年入社。社員食堂で栄養士業務を経験したのち、社内公募で本社勤務に。立ち上げから“ヨミサプ”に関わり、システム担当として、完成記事のWebアップやグーグルアナリティクスを使用し読者の分析を行う。
エームサービスが発信する“ヨミサプ”。
立ち上げのきっかけとは?
福田さん:エームサービスのメインの社業である特定給食施設には、健康維持のために利用者さまに適切な情報提供をする役割があります。その一環としてプライスカードやメニューカードの下にエネルギーやたんぱく質などの栄養情報を掲載するといった、健康に対してプラスになる情報を提供することが求められます。以前はエームサービスが運営する社員食堂のテーブルに「Chit Chat」という卓上POPを置いて健康情報を伝えていました。
青沼さん:それがコロナ禍で、テーブルの上にPOPを置くことができなくなったんですよね。さらに時代に合わせて情報ツールもデジタル化するべきではないかという意見もあり、新しくWebメディアを作って健康情報を伝えることになったんです。と言ってもWebメディアを立ち上げたことはなかったので、どうやって記事を作ればいいのかと、ネットで検索したり、他の部署の方に聞いたりして、2023年3月からスタートさせました。ただ、最初はすでに用意されている有料の記事を購入して掲載していたので、今よりテーマが少ない状況でした。
村田さん:そのスタイルだと季節感もないですし、そもそも栄養士が伝えたい情報を発信できていませんでした。今年の4月にリニューアルして、毎月のテーマに合わせた情報を毎週発信する現在のスタイルにリニューアルしました。
―“ヨミサプ”という名前はどのようにして決まったのでしょうか。
大内さん:ネーミングを考えているときに、社内のデザイナーが描いたヨミサプのイラストがかわいい感じだったので、イラストに合わせて遊び心があるようなポップなものがいいよねと、方向性が決まりました。確か“サプリ”は青沼さんのアイデアでしたよね?
青沼さん:サプリメントと聞くと錠剤やタブレットを思い浮かべますが、本来は健康に不足しがちな栄養を補うための食品という意味なんです。“読む人の健康をサポートする”という意味を込めて、サプリメントという言葉は入れたいと思っていました。
大内さん:そこから健康に有益な情報を“読むこと”“見ること”が食堂の利用者さまや読者の方のサポートになるという意味を加えて、“ヨム・ミル・サプリ(ヨミサプ)”に決まりました。手前味噌ですが、すごくいいネーミングだと思っています(笑)。
―毎月の編集作業はどのように進めているのでしょうか。
福田さん:最初にエームサービスに所属する管理栄養士、栄養士の方からどんなテーマがいいか、アンケートを取りました。そのなかから季節感や伝えたい内容を考慮しながら12本選び、年間のテーマを決めています。チームでの編集会議で毎月のテーマに合わせて、こういうことが知りたいという毎週の小テーマを決定しています。原稿が上がってきたら、情報に間違いがないか、エビデンスはあるかなどのファクトチェックをしたうえで修正などを行い完成させていきます。
大内さん:スケジュール調整などの全体的な管理は青沼さんが担当していますが、記事のチェックは全員でやっています。その他に私はシステム担当として、完成記事をWebにアップする作業や、グーグルアナリティクスを使って、どういう時間帯に、どんな方が読んでいるのかなどの分析をしています。
毎号テーマに合わせて考えるメインビジュアルは、社内デザイナーが考えた候補の中から、インパクトや意外性などを重視しながら決定。視覚的にも読みたくなる記事を目指しています。最新記事は、年末年始の季節を絡めて「お酒」がテーマです。
“ヨミサプ”を通じて健康を届けたい。
こだわりのポイントを聞きました。
―“ヨミサプ”を制作するうえで、こだわりポイントを教えてください。
青沼さん:エームサービスとして提供しているWebメディアなので、きちんとエビデンスがある情報、信頼できる正しい情報を伝えることに細心の注意を払っています。
福田さん:以前の“ヨミサプ”は少しお堅めで、ビジュアルは重視されていませんでした。リニューアルに合わせてデザイン性にもこだわりたいと提案し、採用してもらったので、よりデザイン性の高いものを作っていきたいですね。健康に興味がない人でもつい読みたくなるようなビジュアルにするにはどうしたらいいのか、常に考えています。
大内さん:健康情報を発信するだけではなく、食堂を運営している強みを生かして、“ヨミサプ”のテーマに関係するメニューが食べられる「チョイスメニュー」という取り組みを進めています。読むだけでなく、“読んで食べる”ところまでつなげていることがこだわりの一つです。
村田さん:何もないところからWebメディアに辿り着くのはすごく難しいので、リアルをどうつないでいくのかは大きな課題です。そのための導線として、トップページのビジュアルを載せたPOPに二次元コードを付け、そこから“ヨミサプ”に飛ぶ取り組みも進めています。食堂のPOPから“ヨミサプ”に入って健康情報を読み、社員食堂では連携したメニューを食べることもできる。リアルとWebメディアをつないで、新しい楽しみ方ができる仕組みが作れているのは、メンバーみんなのこだわりのおかげだと思います。
―どんなときにやりがいを感じますか?
青沼さん:5月のテーマ「高血圧」はトップページのビジュアルにキリンを使いました。というのもキリンは長い首に血液を送らなくてはならないので、すごく血圧が高いそうなんです。そのビジュアルのインパクトがあったようで、事業所の見学に行った際に、「”キリンにならないように気をつけなきゃね”って話していたよ」と教えてくれたんです。健康情報を知ってもらうというだけじゃなく、“ヨミサプ”がお客さまや当社従業員のコミュニケーションのきっかけにもなっていることが分かって、すごくうれしかったです。
大内さん:私たちの部署の役割の一つは、現場で働く栄養士の方々をサポートすることです。現場には利用者さまに向けた栄養新聞を自分で考えて作っている栄養士の方もたくさんいます。そういった方々の労力を減らすためにも“ヨミサプ”があると思っています。栄養士の方々に活用してもらえるような情報を選択し、掲載していくことにやりがいを感じています。
福田さん:ビジュアルイメージを変えたり、販促POPを作ったりしたことで、“ヨミサプ”の認知度がすごく上がっていると感じています。社内の方からも声を掛けられたり、ご意見をいただいたりする機会も増えました。私たちが想像していた以上の広がりを見せているので、新しいアイデアを出して、その期待に応えていくことが喜びです。
村田さん:以前からインターネットの普及と反比例して正しい情報を探す、見つけるのが難しくなっていると感じていました。“ヨミサプ”は社員食堂の利用者さま向けに作ったものですが、一般の方にも読んでいただけるようにホームページでも公開しています。しっかりと正しい情報を生活者のみなさんに届けられるのは、すばらしいことだと思っています。
“ヨミサプ”を通して、実現したいこととは?
―これから“ヨミサプ”で実現したいこと、今後の目標を教えてください。
大内さん:今よりもさらに「チョイスメニュー」に力を入れていきたいですね。健康になるためには1回の食事を変えただけでは難しく、継続していく必要があります。エームサービスの社員食堂では利用者さまに毎日食事を提供していて、ランチだけでも1週間のうちの5食を変えることができます。毎日「チョイスメニュー」を召し上がっていただければ、知識だけではなく健康面でも大きく寄与できると考えています。そのためにも“ヨミサプ”の認知度をもっと高めていきたいです。「週刊少年ジャンプ」みたいといったら言い過ぎかもしれませんが(笑)、読者のみなさんが、次の号を読むのが待ち遠しくなるようなメディアにしていきたいです。
青沼さん:糖尿病に興味を持つ人もいれば、睡眠について深く知りたい人もいるように、健康になりたい度合いや方向性は、人それぞれ違うものだと思っています。自分の興味があるテーマが来たときに、それを読んで、食堂で食べていただいて、利用者さまが目指す健康に少しでも近づけるようなサプリになればうれしいです。そのためにも幅広いテーマでみなさんに発信していきたいです。
福田さん:私も管理栄養士として長く現場にいたので分かるのですが、ただ“ヨミサプ”を作りました、便利なので使ってくださいと言うだけでは、なかなか現場の栄養士には浸透しない。自分が100%納得できるものでないと使いたくないんです。そこを変えていくためには、事業部や現場の声を聞いて、“ヨミサプ”に反映していく必要があると思っています。エームサービスでは3,000名もの管理栄養士や栄養士が活躍しています。多くの知見が集まれば、きっともっとより良いメディアになるはずです。そんな風にみんなで一緒に作り上げていく仕組みを考えていきたいです。
村田さん:青沼さんからも“ヨミサプ”が会話のきっかけになっているという話がありましたが、ご利用者さまのなかには家族がいる方もいらっしゃいます。仕事を終えて家に帰って食卓を囲みながら、今日社員食堂で読んだ“ヨミサプ”にこんなことが書いてあったよと、ご家族の間でも会話の糸口になるようなメディアになれたらと思っています。“ヨミサプ”を読んだ方が、家族や周りの方に話したいと思うように、これからさらに内容を充実させていきたいですね。
“ヨミサプ”のクリエイティブ担当!
社内デザイナーの2人にもメッセージをいただきました
IDSセンター MD企画室 手嶋 早苗さん
“ヨミサプ”リニューアル時の、コンセプト整理・ビジュアル提案・前サイトの立ち上げ・ロゴ作成などに携わりました。二ュートリションチーム主体の企画は、知識が豊富な栄養のプロたちが集まっているので、「これも伝えてあげたい!」と情報が大渋滞になることがあります。“デザイナー”と“栄養のノンプロ(=お客さまに近い立場)”として、情報を整理し、読みやすさと見やすさを兼ね備えたビジュアルになるよう心掛けています。社内外でも愛され、“暇つぶしに見に来たくなるサイト”になっていってほしいです。ゆくゆくは、ヨミサプグッズや本当のサプリなどを販売する通販サイトができたら面白そうと思っています。
IDSセンター デザイン室 滝島ゆずみさん
”ヨミサプ”リニューアル時のデザイン監修をはじめ、キービジュアルの選定やテーマに沿えるコピーの提案を行っています。テーマごとにテイストを替え、目を惹く面白い見せ方を考えるほか、印刷版のサマリーでは文字情報が多いので、余白を持たせ、スッキリと読みやすくなる工夫をしています。毎月のテーマに合わせたキービジュアル探しには、毎回悩まされていますが(笑)。ヨミサプメンバーに初稿を見せると「面白い!」「これ自分もだ~」など必ずリアクションがもらえるので、悩みつつもいつもワクワクしています。食堂利用者の方が、連携メニューを食べながらヨミサプを読むのが日課になるといいなと思っています。