「キャンパスのごちそう」誕生秘話 現場の熱が伝わる、ひと味ちがう雑誌づくり


学生食堂や学校給食の新しい可能性、魅力、楽しさを伝えるエームサービスオリジナル雑誌「キャンパスのごちそう」。C&S(キャンパス&スクール)事業部が制作するこの雑誌は、2024年に第4号を発行。初めて雑誌形式に刷新し、受託運営する全国の大学や学校、学生寮、学内カフェなどを舞台に、多彩な食の取り組みを紹介しています。にぎやかで温かみのある誌面の裏側には、現場の声と現場発のアイデアが息づいていました。今回は同誌の立ち上げから制作過程のエピソード、雑誌へのおもいなどを座談形式で振り返ります。
目次
- 誌面の立ち上げメンバーに、誌面制作の裏側について突撃取材!
- ─まず、「キャンパスのごちそう」創刊に至った経緯をお伺いできますでしょうか。
- ─誌面づくりで工夫したことは?
- ─社内や現場からはどのような反響があったのでしょうか?
- ─スポーツ分野への展開についてもお伺いしたいと思います。
- ─エームサービスやC&S事業部で活躍できる人材像とは?
- 「キャンパスのごちそう」の現場での反響は? 生の声を事業所メンバーに聞いてみました!
- ─お二人が働いている事業所や仕事の内容について教えてください。
- ─特にご自身で積極的に取り組んでいることは?
- ─雑誌「キャンパスのごちそう」をご覧になった感想を教えてください。
- ─これからエームの仲間になる就活生に向けて一言お願いします。
誌面の立ち上げメンバーに、誌面制作の裏側について突撃取材!
〈お話をうかがった方々〉

右:C&S事業部長 渡辺剛さん
事業部の総責任者であり、部内掲示板・雑誌「キャンパスのごちそう」の発案者。
中央:C&S事業部 チーフ 藤かん奈さん
業務総括・クリエイティブ担当。デザインスキルを生かして「キャンパスのごちそう」の企画、制作を主となり手がける。
左:私立小学校の事業所勤務 篠原光さん
総合職、4年目。責任者として事業所運営全体をマネジメント。
─まず、「キャンパスのごちそう」創刊に至った経緯をお伺いできますでしょうか。

渡辺さん
私たちは、全国の大学や学生寮、スポーツチーム向けに食事提供や栄養管理を行っています。以前は地域ごとに担当部署が分かれていましたが、2011年に大学・学校系の事業所を一つにまとめ、専門体制を整えました。その際、サービスの標準化を目指してマニュアルを整備。「キャンパスオペレーションスタンダード(COS)」と呼ばれるその冊子は、初めは文字中心でしたが、2016年には写真中心に刷新しました。さらに、現場の取り組みを社内掲示板で共有し、フィードバックできる文化を育ててきました。こうした流れから生まれたのが、「キャンパスのごちそう」です。


藤さん
私が入社する以前のことなので、いま聞いていて「そうだったんだ!」という感じです(笑)。

渡辺さん
そうですよね。COSの「マニュアル」から「楽しい雑誌」の方向へと舵を切った背景には、各事業所から寄せられる写真の質がどんどん良くなってきたことがあります。「この素材をそのまま生かせば、お客様や当社を志望する学生に現場のリアルが伝わる」と考え、現場の姿がそのまま飛び込んでくる誌面を目指しました。

藤さん
はい。「現場のこだわりや工夫が楽しく伝わり、気軽に読める雑誌にしたい」という要望をいただいて、そのイメージに近づけるために、食に関する雑誌を読み込みました。構成や見せ方に工夫のある誌面を研究して、「どうすれば一番おいしそうに見えるか」、「どうすれば読みやすくなるか」を徹底的に考えました。私はデザインが専門なので、「誌面で魅力を伝える」という点では、とてもやりがいがありました。


篠原さん
現場にいる自分たちからすると、社内掲示板に投稿した内容が雑誌になるなんて、最初は想像もしていませんでした。でも実際に完成したものを見ると、自分たちがやったイベントや料理がきれいにまとまっていて、「これは社外の人にも見せられる。見てほしいな」と素直に思えました。
今回の「キャンパスのごちそう」は、現場の社員やパート社員の方々、本社事業部の皆さんも含めて全員で作った感覚があります。写真の盛りつけをみんなで工夫したり、POPや掲示を一緒に考えたり、普段の業務とはちょっと違う形で“ひとつのものを一緒に作る”経験になりました。

藤さん
そんな気持ちをみんなと共有できたらと、目次のページに協力スタッフ全員の名前をハート形でデザインしました。全員のあたたかい気持ちが詰まった雑誌になったと思います。

─誌面づくりで工夫したことは?

渡辺さん
「とにかく見て楽しめるような雑誌にしたい」と藤さんに伝えて、あとは信頼して任せました。結果的に、採用面接の場でも「この雑誌を読んでワクワクした」という声が学生から多く寄せられ、本当に効果を実感しています。
誌面づくりで特に意識したのは、現場の“リアル”です。見せかけのきれいさではなく、イベントに取り組む姿勢や手作り感、工夫が見えることで、現場のリアルが伝わる。だからこそ説得力があるんです。
「素のエームサービス」を出すことは、営業活動にも直結しています。提案書などで使うイメージ写真と違い、この「キャンパスのごちそう」には現場の実態が写っている。それが信頼につながり、実際に新規案件獲得に貢献した例もあります。


藤さん
そういう反響もうれしいですね。誌面を充実させたくて、写真や原稿を投稿してくれる現場の皆さんには、あらかじめ撮影のポイントをまとめたガイドラインを共有しました。「自然光で撮ると明るくなるよ」とか、「なるべく笑顔や手元を写してね」など、ちょっとした工夫で写真の質が変わるんです。
その積み重ねが、写真のレベルアップにつながりました。現場が自ら工夫して撮影してくれているのが本当にうれしかったです。


篠原さん
そう言ってもらえると、やってよかったと実感します。私たち現場も「せっかく載せるならいい写真を残したい」と思うようになって、「今日のデザートは見た目にこだわろう」「お客さまが笑っている場面をちゃんと撮ろう」など、自然と意識が高まりました。そういう前向きな気持ちが現場の雰囲気にもいい影響を与えていて、雑誌づくりに参加すること自体が価値ある体験になっていると思います。


─社内や現場からはどのような反響があったのでしょうか?

藤さん
投稿者の方々からも「投稿してよかった」という声をたくさんいただいています。読者アンケートにも「ほかの現場がどんな取り組みをしているのか参考になる」という意見が寄せられ、若手からは「モチベーションが上がった」という反響もあります。
誌面には一見ささいなことしか載っていなくても、それをきっかけに新しいチャレンジが生まれることがある。それが現場の力になると実感しています。

渡辺さん
現場からの発信が本社を動かし、本社からの後押しが再び現場を盛り上げる。そんな循環ができたことがとてもよかったです。「ただ伝えるだけ」で終わらず、つながり合えていたことが実感できました。

篠原さん:私自身、誌面を通じて他の事業所の取り組みを見ると「自分たちも頑張ろう」、「次は絶対に載せてもらいたい」と思います。負けていられない気持ちになりますし、実際に新メニュー開発などに挑戦するきっかけにもなっています。雑誌が刺激を受ける場になっていると思いますね。
─スポーツ分野への展開についてもお伺いしたいと思います。

渡辺さん
現在、キャンパス・学校のスポーツ分野に特化した新しい雑誌を作ろうと計画しています。たとえば駅伝チームやラグビー部など、競技ごとに異なる栄養バランスが必要ですし、寮での提供量なども違ってきます。その違いなどもしっかり分析して、それを雑誌にまとめて現場の参考にしてもらいたいのです。
イベントの紹介だけでなく、スポーツ寮の一日の流れを動画でも見られるように、配属されたばかりのスタッフでも使える「教科書」のような雑誌にできればと考えています。ベースの学校食堂の運営に加え、アスリートへの栄養サポートの充実など、付加価値のあるサービスの提供を目指しています。

篠原さん
そうなんですね。現場で実際に作っている私たちにとっても、スポーツ分野は勉強になることが多いです。「こういう考え方で構成するのか」といった気づきがあれば、それだけで現場が前向きになれます。
利用者の方などから「ありがとう」と声をかけてもらえたときの喜びは格別ですし、そうしたエピソードを雑誌で共有できると、スタッフ同士のつながりももっと深まっていくと感じています。

藤さん:現場からは「新しいメニューに挑戦したい」という声も届いています。その声に応える形で、「スポーツのごちそう特集」といった新企画も構想中です。食育やアスリート向けの栄養学など、メニューの背景にある考え方も誌面で伝えていけたらと考えています。
─エームサービスやC&S事業部で活躍できる人材像とは?

藤さん
当事業部では、大学や寮、カフェ、ベーカリー、イベントなど幅広い業態を経験できます。「これだけ」と決めつけず、興味の幅を広げられる人にとって、非常に面白い環境です。挑戦した分だけ、チャンスも広がります。
また、「食べることが好き」という気持ちは、大きな原動力になります。学んだことや経験が自分に返ってくる「循環」がある仕事だからこそ、やりがいも深まります。食に関心があり、成長を楽しめる人に、ぜひ来てほしいですね。

篠原さん
この仕事で活躍している人に共通するのは「素直さ」です。「まずやってみる」という姿勢が、成長の原動力になるからです。私自身も、スタジアムや社員食堂などさまざまな現場を経験してきましたが、どこでも前向きに取り組むことで人とのつながりが広がり、仕事がどんどん面白くなりました。
自分の作ったもので「ありがとう」と言ってもらえる喜びは大きく、自信にもなります。現場を楽しみながら、自分の仕事が誰かの笑顔につながる。そんな手ごたえを感じたい人に、ぴったりの職場だと思います。

渡辺さん
採用面接では、「笑顔があるかどうか」や「熱意・誠意・創意」、そしてホスピタリティ精神を重視しています。どれほど優秀でも、楽しんで働けなければ現場にはなじみません。一方で、笑顔がある人は周囲に良い影響を与え、現場の空気を変えてくれます。
特に学生寮のような少人数の現場では、調理スキル同様に“工夫する力”や“相手を喜ばせたい気持ち”が大切です。決まった正解がないからこそ、自分で考えて動ける人が活躍できます。型にはまらず、自由にチャレンジできる環境で、自分の「やってみたい」をカタチにしてみませんか?

「キャンパスのごちそう」の現場での反響は? 生の声を事業所メンバーに聞いてみました!

〈お話をうかがった方々〉


─お二人が働いている事業所や仕事の内容について教えてください。

富家さん
海の近くの大学で働いています。朝は仕込みや調理、日によっては学内の他店舗でお弁当やカフェを手伝うことも。揚げパンイベントでは数種の味を用意し、学生に好評でした。日々違う業務があり、柔軟な対応力が身につくのが、この仕事の魅力です。

圷さん
私は小学校勤務で、食物アレルギーを持つ児童への除去食や代替食の対応には特に細心の注意を払っています。“見た目”にも気を配っており、他の子どもたちと差がないように見えることが、大切だと感じています。
また、食育の一環で「給食トーク」を実施。リクエスト給食では人気メニューを反映し、「また食べたい!」という声が励みになります。
─特にご自身で積極的に取り組んでいることは?

富家さん:下味やカットを工夫し、調理がスムーズに進むようにしています。イベントももっと増やしたくて、週に4回実施したことも。アンケートでも好評で、やってよかったと実感しました。

圷さん
苦手な食材をどう出すかは常に考えています。食べ残しや反応を見ながら、細かく刻んだり、味付けを工夫したり。今の事業所で新メニューにも挑戦したいし、将来的にはスポーツ栄養学の分野にも携わってみたいと思っています。

富家さん
当日のメニューを表示するサイネージを担当しており、おいしそうに見える盛り付けや撮影にこだわっています。唐揚げ丼イベントでは「映える」一枚を選んで掲載し、学生からの反応もうれしかったです。それらの写真を社内掲示板にも投稿するようにしています。


圷さん
小学校は主食がごはん中心ですが、お楽しみ給食ではパンやパスタなども登場。
そうした日は彩りや盛り付けにも力が入ります。自然光の入る窓際で撮影すると、料理がいっそうおいしそうに見えるんですよ。
─雑誌「キャンパスのごちそう」をご覧になった感想を教えてください。

富家さん
社内掲示板に投稿すると、自分の仕事を振り返るよい機会になります。それが雑誌という形で社内外に展開されると、会社への貢献も実感できます。雑誌として形に残るものなので、手軽に見返して次のアイデアにつなげることもあります。雑誌に掲載されたことで同僚からは、「遠い存在になっちゃったね〜」と冗談まじりに言われたこともありました(笑)。

圷さん:雑誌に採用された自分の写真やコメントを見ると、客観的に自分の仕事を振り返ることができます。小学校の事業所は少ない分、日々の取り組みを共有できる場として貴重です。
私が考えたメニューについて子どもたちや先生から反応があると、さらにモチベーションが高まりますし、掲示板や雑誌に掲載されている他の事業所のイベントメニューやPOPなども参考になります。
─これからエームの仲間になる就活生に向けて一言お願いします。

富家さん
食べることが好きで、学校では調理師免許を取得し、やれることの幅が広いと感じたエームサービスに魅力を感じて入社しました。実際入ってみても、調理や発信、イベント企画などいろんなことに関われるので、新しいことに挑戦したい人には最適な環境です。

圷さん
「こんなことに挑戦したい」という明確な目標を持っている人ほど活躍しやすいと思います。C&S事業部では、学校が長期休暇中に他の施設で経験を積めるため成長機会が豊富です。サポートも手厚く、安心してチャレンジできますよ。