私たちのウェルネス企画  #1 「塩ばらんすⓇ」西東京事業部発

2024.09.25

全国で幅広い事業を展開している当社では、各本部・事業部に所属する栄養士・管理栄養士がプロジェクト活動を通して、それぞれのお客様のライフステージやウェルネスに関する課題に合った企画を考案し、お届けしています。取り組みの内容を担当者の思いと共にご紹介します。

適切な塩分量を美味しく知るメニュー
塩ばらんすⓇ

日本人の食生活は、食塩の摂取が過剰になりがちです。「塩ばらんすⓇ」は、「塩分量」に着目し、高血圧を予防したい、食事の傾向が気になるという方に向けて開発された「ちょうどいい塩分量」を知ってもらうためのヘルシーメニュー企画です。

目次

栄養素の基準 

「食塩相当量」に着目!!

セットで食塩相当量3.0g以下を基準としています。

食塩相当量摂取目標*1 :男性7.5g未満 女性6.5g未満
平均摂取状況*2    :男性10.5g 女性9.0g

  1. 日本人の食事摂取基準2020年版より
  2. 令和4年度度国民健康・栄養調査結果より

一般的な外食の定食や麺類は、一食当たり食塩相当量4~8gと高く、男性、女性共に摂り過ぎの傾向にあります。

メニューの概要

現在、事業所で提供できる「塩ばらんす」メニューを50種類展開。春夏秋冬×10種類に昨年、人気が高い唐揚げやデザート付き、野菜たっぷりなど、メリハリをつけたメニュー10種類追加しました。いずれも、だしや素材の味を生かし、香辛料や香味野菜を用いることで、おいしく塩分量を抑えていることがポイントです。

春メニュー:
酢で減塩!酢豚セット
夏メニュー:
シビ辛!花山椒 ジャージャー麺セット
冬メニュー:
鮭のトマト煮込み バジルチーズセット

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塩分に基準を設けているのに、全メニューに汁物を付けるこだわり

汁物は塩分相当量が高いので、付けないことも検討しましたが、お客様のご要望も多く、別で味噌汁などを購入されると趣旨に反してしまうので、計算をした上で付けるようにしています。同じ考えでデザートを付けているメニューもあります。

ピリ辛鶏チリセット

塩分3.0g以下に抑えながら汁物が付き、デザートまで楽しめる

この人にお話を聞きました

プロフィール

2014年栄養士専門職として入社し、現在11年目。
ビジネスダイニングサービスで事業所のメニュー作成、栄養管理業務に従事。入社した翌年から西東京事業部の栄養士プロジェクトで「塩ばらんす」の企画が始まる。
以降、プロジェクトリーダーも経験し、積極的に活動に携わっている。

西東京事業部 
管理栄養士 山田 綺沙さん

‐「塩ばらんす」考案のきっかけは?

企画を検討していた10年前は、エネルギーをはじめとした基準を設定したヘルシーメニューが主流で、「減塩」に特化したものがなかったため、高血圧などの予防対策の観点でお客様の健康を支援したいというところからスタートしました。

‐ 企画を進めるにあたり、苦労したことは?

まず、名前を決めるのに苦労しました。一生けん命考えた名前が先に使われていたり、印象が硬くなりすぎてしまったり。結果的に「塩バランス」に平仮名のやわらかさを加えて「塩ばらんす」としました。お客様に手にとってもらいやすい企画名になったと思います。

また、メニューの提供を開始すると、事業所の導入時に課題があることがわかりました。エネルギーや脂質に対して基準を設けていないため、「ヘルシーメニューコーナー」から提供することができない事業所が出てきてしまったのです。
一方で、コロナ禍で一時的にメニューのカテゴリー数が減らされ、通常のメニューコーナーでお出しすることになっても、多くの方に食べてもらえる汎用性の高さも感じました。

‐「塩ばらんす」を展開する上でのポイントは?

お客様には、食べた時に薄いと感じた場合は、普段少し濃い目の味付けに慣れているということ、適切な塩分量を知ってもらうためのチェック用メニューであることを丁寧にお伝えしています。「ちょっと薄いと感じたので、気を付けなくては」言いに来てくれるお客様もいらして、減塩指導を続けるうえでも、コミュニケーションにつながりやすいメニューだと思います。クライアント様の保健師さんより保健指導の対象者にご紹介いただいている事例もあります。

‐ 今後の展開について

これまで、西東京事業部の多くの栄養士が企画に携わり、プロダクションスーパーバイザー*の協力のもと事業部一体となって企画を作り上げてきました。コンセプトと精度の高さが評価され、広く活用できるように全社に向けて配信もされています。
今期事業部内では、5月17日の「高血圧の日*」に因み毎月17日を「塩ばらんすの日」に設定し、現在90%くらいの事業所で提供ができています。

初期メンバーとして、事業部内の後輩栄養士たちから「新しくメニューを加えたい」との声があがってきた時や営業提案や他の事業部での活用について聞いた時は、やはりとても嬉しく感じます。今後もお客様の健康をサポートするメニューとして展開していきたいと思います。

*プロダクションスーパーバイザー = 調理のスーパーバイザー
*「高血圧の日」= 高血圧の予防などを啓蒙するため、特定非営利活動法人・日本高血圧学会と日本高血圧協会によって制定。日付は、世界高血圧連盟が定めた5月17日の「世界高血圧デー(World Hypertension Day)」に準じたもので、2008年以降は「高血圧の日」を日本の記念日とし、さまざまな啓蒙活動が実施されています。

5月17日「高血圧の日」に事業所で提供したメニュー例

こぼれ話

10年以上にわたり継続展開していて、すっかり、定着した感がある「塩ばらんす」。社内でも評価が高い「ヘルシーメニュー」企画ですね。

はい、2015年に開発を開始し、2017年のCEO賞(社長表彰)特別賞を受賞しました。
賞をいただいたこともあり、活動の規模が大きく、チェックのプロセスが入ったり、試食会を行ったりと様々な手順を踏むので、メニューの考案から配信まで1年はかかっています。現在、第5弾まで配信していますが、コロナ禍前の第4弾の試食会は、関東圏の他の事業部や営業部門からの参加者もあり、60名規模で開催しました。当時、チームリーダーを務めていたので、だいぶプレッシャーを感じました(笑)。

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