「未来の食を学ぶ」日本女子大学にて学生に向けた特別講義を実施

7月17日(水)、日本女子大学目白キャンパスにて、当社取締役 常務執行役員の紅林利弥が、学生を対象とした特別講義の講師を務めました。本講義は、食科学部 栄養学科(日本女子大学様HPより)の松月弘恵教授が、「給食経営管理論Ⅱ」の授業の一環として企画されたものです。
講義の冒頭では、松月教授より、管理栄養士としての専門知識に加えて、地球規模の課題や社会の変化に対応できる広い視野を養うことの重要性について説明がありました。SDGsやプラネタリーヘルスリテラシーといった概念が一般的になってきている今、食と環境、健康のつながりを理解し、「未来の食」について学ぶことが本講義の目的であることが伝えられました。

次世代の管理栄養士を目指す学生の皆さんに向けて
今回で3回目となる特別講義は、多角的かつ実践的な視点から理解を深めてもらえるように、2部で構成し、第1部では講義に加え、サステナブルな取り組みを推進するスターゼン株式会社様、大塚食品株式会社様よりゲストスピーカーを迎えたパネルディスカッションが行われ、第2部は試食会形式で講義テーマである「持続可能な食材」を使用したメニューを実食してもらいました。
<第1部>
講義 -日本の農業の未来、サステナブルな取り組みの意義
講義では、まず、日本の農業が現在直面している課題について取り上げました。気候変動の影響に加え、担い手不足や収益性の低さなど、複合的な要因により、日本の農業は大きな転換期を迎えており、持続可能な農業の実現には新たな支援策や消費の見直しが求められています。こうした背景のもと、昨今の米不足についても、国産米の消費促進が食料自給率の向上と生産者支援につながるものであることが指摘されました。
また、米をはじめとする食材価格の高騰やコロナ禍の影響により、飲食業界が打撃を受ける一方で、委託給食の業界においては、社員の健康やエンゲージメントを重視するクライアント企業が増えており、食の質や環境への配慮が給食会社を選定するうえでの基準になってきていることについても触れられました。
このような社会環境の変化を受けて、食に関わる企業や職業を目指す学生の皆さんには、「食べること」が地球環境に与える影響を理解し、持続可能な選択をすることが求められていること、特に国産品の消費やプラントベースフードの選択は、健康と環境の両面で意義があり、日々の生活において意識を変えていくことの大切さが伝えられました。

パネルディスカッション ― サステナブルな食品企業の取り組み
パネルディスカッションでは、スターゼンの執行役員 奥平 裕様と大塚食品 琵琶湖研究所の新規たんぱく食開発室長 竹村 和志様より、それぞれの分野のリーディングカンパニーとして進められているサステナブルな取り組みや、健康と環境課題の解決を目指して両社で共同開発した、大豆を原料とした大豆ミート「ゼロミート」についてご紹介いただきました。
開発の背景や市場動向、製品化までの苦労などが語られました。2018年から製造を開始した「ゼロミート」は、現在では外食チェーンなどでも導入が進んでいますが、価格や味の改善、さらなる普及に向けて、今も改良が続けられています。
世界の大豆の約90%が畜産用に使用されている現状や、プラントベースフードの普及が将来的な飢餓対策に貢献する可能性があることが示されました。このような背景を踏まえ、消費者の選択が未来を変える力を持っているというメッセージとともに、ディスカッションは締めくくられました。
講義後の質疑応答では、「プラントベースフードを若年層に手に取ってもらうにはどうすればよいか?」「大豆ミートは下処理に時間がかかる印象があるが、大量調理の現場ではどう対応しているか?」「人手不足が加速する中、飲食業界の今後について」など、多くの質問が寄せられました。




<第2部>
試食会 ― 持続可能な食を体験する
大豆ミートである「ゼロミート」や、野菜残渣を活用したベジブロード(野菜を使った出汁)、国産飼料米をエサとする豚肉など、環境・社会・健康に配慮した持続可能な食材を使用したメニューを試食いただきました。
試食メニューの調理は、当社の石井幸雄シェフと日暮昭道シェフが担当し、「チーズハンバーガー」「紅芯大根のポタージュ」「プルドポークとブロッコリースプラウトのサンドウイッチ」をご用意しました。
参加者からは、「すべてプラントベースのチーズバーガーなんて初めて!」「プルドポークの豚肉がとても食べやすい」「ベジブロードのスープはこくがあり、やさしい味」など、どのメニューも大変好評をいただきました。
終了後には、講義と試食を通じて、気候変動や社会環境の変化に対応する飲食業界や食品企業の取り組みについて理解が深まったという声が多く寄せられました。「意識が変わった」といった感想も聞かれ、本講義のテーマが学生の皆さんにしっかりと伝わったことがうかがえる内容となりました。










当社は今後も、「食」から日本の未来を支える学生の皆さまのお役に立てるよう、各種取り組みや情報発信を継続してまいります。
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